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社会貢献で節税!寄附金控除の仕組み

1.はじめに

今年は、台風被害やウクライナ支援など、国や自治体に寄附をした方もいらっしゃるのではないでしょうか?

寄附をしたときには、税金を減らせる「寄附金控除」という仕組みがあります。

2.寄附金控除とは

「寄附金控除」とは、国や地方公共団体、特定の公益法人などに寄附をしたとき、所得控除または税金控除(寄附金特別控除)が受けられる制度です。

金額の調整次第では、自己負担分2,000円のみで税金が軽減される場合があります。

最近では、「ふるさと納税」が有名ですね。


3.適用条件

ただし、寄附をしたからといってすべてが控除できるわけではありません。

適用されるには、寄附先や手続きなど一定の条件を満たすことが必要です。


(1)対象となる寄附先

所得税の対象となるのは、国や地方自治体、公益社団法人、社会福祉法人、学校法人などです。

住民税の対象となるのは、住んでいる都道府県、市区町村がそれぞれ条例で指定した団体などです。

ただし、学校の入学に関するお金や寄附した本人に利益があるもの、政治資金規正法に反するものなどは対象外です。


(2)必要な手続き

寄附金控除を受けるためには、必要書類を準備して確定申告をする必要があります。

会社の年末調整では控除が受けられないため、会社員も同様です。

「確定申告書」に、「寄附先の団体が発行する受領証(領収書)」や「寄附先に応じて必要となる書類を添付して提出します。


特定公益増進法人や特定公益信託などへの寄附は、その団体が適格であることの証明書や認定書の写しの提出が必要になるなど、寄附した団体によって必要書類が異なるため、よく確認しておきましょう。


例外として「ふるさと納税」は、確定申告が不要な会社員の場合、寄附先が5団体以内であれば「ワンストップ特例」という制度が適用され確定申告をしなくて済みます。

ただし、控除されるのは所得税ではなく、翌年度の住民税です。

また、何らかの事情で確定申告をすると、申請が無効になるため、ふるさと納税分も含める必要があります。


4.控除額の計算

寄附金控除には、「寄附金控除」と「寄附金特別控除」があります。


「寄附金控除」は、国や地方公共団体、特定公益増進法人などへの寄附が対象の所得控除で、すでに納めた所得税が還付されます。

「寄附金特別控除」は、政党、認定NPO法人、公益社団法人などへの寄附が対象で、所得控除である「寄附金控除」、または税額控除である「寄附金特別控除」のどちらか有利な方を選択できます。


また、都道府県が条例で指定した先に寄附した場合、住民税の税額控除を受けることができます。


(1)寄附金控除(所得控除)

①特定寄附金の額-2,000円

②(総所得金額等×40%)-2,000円

※①②のどちらか少ない金額


(2)寄附金特別控除(税額控除)

それぞれの寄附先によって、計算方法は異なります。

①政党等寄附金特別控除

(寄附金額-2,000円)×30%

②認定NPO法人等寄附金特別控除

(寄附金額-2,000円)×40%

③公益社団法人等寄附金特別控除

(寄附金額-2,000円)×40%


(3)住民税の税額控除

寄付金を支出した翌年度に、税額控除されます。

(寄附金額-2,000円)×10%

※総所得金額等の30%を上限


(4)ふるさと納税の特例

ふるさと納税の場合は、上記(3)に加え、特例があります。

控除金額は家族構成や収入によっても異なりますが、上限額までであれば実質的な負担額は2000円になります。

(寄附金額-2,000円)×(90%-寄附者に適用される所得税率)


5.節税効果

「所得控除」は税率が高い高所得者に対して減税効果があり、「税額控除」は税額から直接控除できるため寄附金額が少額であっても減税効果が得やすいと言われています。

一般的には「税額控除」の方が有利ですが、例えば、「政党等寄附金特別控除」は、課税所得が900万円を超えると「所得控除」の方が有利になります。


いずれにしても、効果は所得金額や寄附金額、家族構成などで異なるため、詳細が知りたい場合は税理士や税務署に確認した方がいいでしょう


6.まとめ

「ふるさと納税」によって、注目されるようになった寄附金控除。

社会への貢献と節税ができる魅力的な制度です。

しかし、寄附先や手続きなどに注意しないと適用できない場合があります。

確定申告をする前に、不明点などは税理士や税務署に相談しておきましょう。


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