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冬は夏の3割増?電気代を抑える方法

経済産業省は、電力の予備率に余裕がなくなり、厳しい寒さによる電力需給のひっ迫に備えるため、2022年12月から2023年3月まで「無理のない範囲での節電」を呼び掛けています。

発電所側だけの取り組みだけでなく、利用者側も対策が必要なようです。

電気料金の値上げが続く中、どんな対策ができるか調べてみました。


安定供給に必要な予備率3%


電力の予備率とは、需要に対して供給がどれくらい余っているかをあらわす数値です。

電力の需要は3%程度のぶれがあることから、安定して供給するためには最低限3%の予備率が必要とされています。


2022年12月現在の見通しは、図表のとおりとなります。

追加供給力対策の実施や、火力発電所の復旧見通しがついたことなどにより、安定供給に最低限必要な予備率3%は確保できる見通しです。

ただし、1月の東北・東京エリアでは4.1%と、予断を許さない状態です。


寒波による気温低下、コロナ下のおうち時間での電力使用、ウクライナ侵攻による火力発電の燃料であるLNG(液化天然ガス)の安定調達への懸念など、想定外な事態への対策は不可欠です。


そこで、昨年から、電力会社が「節電プログラム」を呼び掛けているというわけです。


節電プログラムって何?


「節電プログラム」(電気利用効率化促進対策事業)とは、電力会社が国からの補助により開催し、参加や節電をすることで、ポイントがもらえるキャンペーンです。


「ディマンド・リスポンス(DR)」という、消費者が賢く電力使用量を制御することで電力の需給バランスを調整する仕組みの一つです。

申込は2022年12月末で締め切りでしたが、延長しているところもあります。


みなさんが契約されている電力会社(小売電気事業者)が「節電プログラム」をおこなっているか確認してみてはいかがでしょう。

資源エネルギー庁のWEBサイトから確認できます。


▼資源エネルギー庁「節電プログラム」


(1)内容

多くの電力会社では、参加で2,000円相当のポイント、前年度よりも一定以上節電するともらえる達成特典、さらに抽選で上乗せされるポイントなどがもらえます。

対象期間は、3月末までの会社が多いようです。

内容は、各電力会社によって異なります。


(2)申込方法

参加は、現在、契約している電力会社が開催中であれば、申し込み可能です。

電力会社のホームページやマイページの他、ネット検索すると、申し込みフォームで入力できます。

ここで、契約している人の名前や住所、電話番号などを入力します。

契約番号も必要になりますから、手元に電気料金の領収書を用意するか、事前に控えておきましょう。

受付期間や申込方法は、電力会社によって異なります。

契約している電力会社のホームページなどで案内に従って申し込みましょう。


(3)注意点

①開催期間を確認する

各電力会社で開催期間は異なります。

1月31日まで延長している電力会社も多いようですが、3月という会社もあります。

現在、開催しているかどうかも含めて、確認しましょう。


▼資源エネルギー庁「節電プログラム公式サイト」


②特典の内容を確認する

もらえる特典の内容は、amazonギフト券や会社独自のポイントなど、電力会社によって異なります。

もらっても使えないことがないように、事前に確認しておきましょう。


③無理のない範囲で節電する

厳しい寒さの中、無理をすると体調を崩してしまします。

過度な節電は避け、ある程度の余裕をもって節電しましょう。


電気代、冬は夏の3割増


電気代は、「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー(再エネ)発電促進賦課金」の合計で決定します。


■計算

1ヵ月の電気料金=基本料金(最低料金)+電力量料金単価×使用量+-燃料費調整単価×使用量+「再生可能エネルギー(再エネ)発電促進賦課金単価」×「使用量」


「基本料金(最低料金)」は、使用した電気量に関わらず、契約によって金額が決まっています。

「電力量料金」は、使用した電力量で増減します。

また、発電の原料となる石油や石炭の価格によって変動する「燃料調節費」の影響も受けます。


「再生可能エネルギー(再エネ)発電促進賦課金」は、電力会社が再生可能エネルギーを買い取るために消費者側が負担します。


毎月の電気代は、季節によっても変動し、冬は、夏よりも3~4割ほど高くなる傾向があります。

室内外の気温差が大きいため夏よりもエアコン代がかかる、日照時間が短いため点灯時間が長くなる、温かい食事を摂る機会が増える、洗濯乾燥機を使う回数が増えるなどの理由が考えられます。


電気代が平均より高いときにチェックすること


家庭向けの電気料金は、ウクライナ侵攻や円安の影響でこの1年で2割ほど上昇しています。

さらに、春には3割程度の値上げを申請している電力会社もあります。

今まで以上に、少しでも電気代を抑えたいものです。


また、資源エネルギー庁によると、全家庭で消費電力の1%を節電すると、毎日、コンビニ約1万5千店舗が消費する電力と同じくらいのエネルギーが削減できるそうです。


特に電気代が平均より高い、ご家庭は、チェックした方がいいですね。


(1)電化製品の製造年

長時間ONにすることが多い電化製品の製造年を確認しましょう。

旧型の家電ほど消費電力が高い傾向にあります。

たとえば、10年前のものと比較して、冷蔵庫は約40%、照明器具(LED電球)は80%の省エネ効果があります。


(2)昼間に使用している電気

日中は、夜間に比べて電気料金が高くなります。

テレビや照明、パソコン、暖房器具など、複数の電気機器を同時並行で利用するため、電気料金がかさみます。


(3)設置している電化製品が多くないか

自宅が広い場合は、照明やエアコンなどを多めに設置する必要があります。

不要なものはないか、整理してみましょう。


(4)断熱効果を高めるための工夫

外気の温度が下がる冬場は暖房器具を稼働し続けるため、電気消費量が上がります。

窓ガラスに断熱シートを貼る、断熱効果の高いカーテンを設置するなどで、節電効果が期待できます。


(5)電気料金プランを見直す

現在の料金プランがライフスタイルに合っているか、チェックしてみましょう。

日中での使用が多い場合は日中の電気料金が安くなるプランに乗り換えるのも、方法の一つです。

ただし、節電プログラムを利用したい場合は、対応しているか事前に調べておきましょう。


冬家電の具体的な節電方法


節電には、大きくわけて3つの方法があります。

「シフト」「切り替え」「削減」です。


(1)シフト

電気を使う時間帯をずらすと、節電になります。

例:電気使用が多い時間帯を避け、夜間や早朝に変更する

電気製品の同時使用を避ける


(2)切り替え

使用方法を他に切替えると、節電になります。

例:ガスや石油を使用する

   省エネ型製品へ買い替える


(3)削減

消費電力を削減すると、節電と省エネの効果があります。

例:省エネモードがある製品は、省エネモードで使用する

   使用していない製品は、プラグをコンセントから抜く

また電化製品の使い方によって節電効果があります。


①エアコン

・重ね着で設定温度を下げる→年間約1,650円の節約

※1度下げる(政府推奨は室温20度)

・利用時間を短くする→年間約1,200円の節約

※1時間短縮


②冷蔵庫

・設定温度を「強」から「中」に下げる→年間約1,910円節約

・食品を詰め込みすぎない→年間約1,360円節約

※詰込みを半分

・壁から適切な間隔で設置→年間約1,240円の節約

※上と両側が壁に接している場合と、片側が壁に接している場合

・扉の開ける時間を減らす→年間約190円節約

※20秒から10秒に短縮

・食品を詰め込みすぎない→年間約1,360円節約

※詰込みを半分


③照明

・電球形LEDランプに取り換える→年間約2,790円の節約

※54W形の一般電球から同じ明るさの電球形LEDランプに交換

・点灯時間を短くする→年間約610円の節約

※54Wの白熱電球1灯の点灯時間を1日1時間短縮

・明るさを下げる→効果1%


④テレビ

・画面の輝度を下げる→年間約840円の節約

※画面の輝度を最適(最大→中央)に調節(32V型)

・テレビを見ないときは消す→年間約520円の節約

※1日1時間短縮(32V型)


⑤洗濯機

・洗濯の「すすぎ→脱水」を1回にする→年間約240円の節約

・洗濯物はまとめ洗い→年間約160円の節約

※定格容量の4割と8割を入れた場合


⑤電気カーペット

・設定を「強」から「中」に下げる→年間約5,770円の節約

※3畳用で、1日5時間使用

・カーペットの大きさを変える→年間約2,790円の節約

※3畳用と2畳用を1日5時間使用した場合


⑥こたつ

・設定温度を「強」から「中」に下げる→年間約1,520円の節約

※1日5時間使用

・上掛と敷布団をあわせて使う→年間約1,010円の節約

※1日5時間使用


⑦給湯器

・入浴は間隔をあけない→年間約6,190円の節約

・シャワーは流したままにしない→年間約3,210円の節約


※出所:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」(家庭でできる省エネ)


まとめ


今年の冬の電力供給は、まだまだ厳しい見通しです。

また、大手電力の電気料金は、さらに値上げする可能性があります。


一つ一つの節電効果は軽微かもしれませんが、積み重ねることで大きくなっていきます。

厳しい電力需給の改善するためには、「電気料金を下げる」「消費電力を減らす」という意識を持って、官民で協力しあうことが必要かも知れません。


「節電プログラム」で、無理なく節電を楽しむのも方法です。

申込期日を延長している会社もありますので、参加してみてはいかがでしょうか。


※節約金額は目安です。

※実際は各家庭によって異なりますので、ご自身に合った節約をお願いします。



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