先週、三菱UFJ銀行は、10年もの定期預金の金利を現在の100倍にあたる0.2%に引き上げると発表しました。
金利引き上げの背景には、日銀による金融政策の修正がありますが、その影響は、住宅ローンや一時払い終身保険の金利にも影響を及ぼしています。
1.金利とは
金利とは、お金の貸し借りによって発生する使用料がどのくらいか割合をあらわしたもので、通常は「%(パーセント)」で表記されます。
「利子」や「利息」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
2つの言葉は、基本的には同じ意味合いです。
貸した人が受け取るものを「利子」、借りた人が支払うものを「利息」と使い分けられます。
また金利には、「固定」と「変動」があります。
「固定金利」は、期間中の金利が変動することなく固定されています。
「変動金利」は、その逆で期間中の金利が定期的に見直されます。
暮らしに身近な金利としては、住宅などの「各種ローン」、「銀行預金」、国債などの「債券」などがあります。
2.金利はどうやって決まる?
これらの金利は、各金融機関が日本銀行(日銀)の金融政策に基づいて決定しています。
(1)日銀の金融政策とは
日銀の金融政策とは、物価の安定や経済成長を目的として、金利や金融市場に流通するお金の量を調整することです。
おもな金融政策として、「政策金利操作」「支払準備操作」「公開市場操作」の3つがあります。
金融政策を緩和(金利の引下げ)することで、企業や個人がお金を借りて設備投資や住宅購入がしやすいように、後押しをすることが目的です。
(2)金融政策決定会合
こうした金融政策の考え方は、政策委員会が定期的に開く「金融政策決定会合」において、金融経済情勢を見ながら検討し、公表しています。
2014年からは量的・質的金融緩和(異次元緩和)、2016年からは長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)という政策で、短期金利をマイナスにし、長期金利をゼロ%程度に誘導してきました。
しかし、10月の金融政策決定会合にて、長期金利1%を一定程度超えることを容認するという長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めました。
3.暮らしへの影響は?
日銀の金融政策修正による金利上昇を受け、定期預金をはじめとする金融商品の金利引き上げの動きが広がってきました。
「円建て定期預金」「外貨建て預金」「生命保険」「住宅ローン」に分けて、見てみましょう。
(1)円建て定期預金
10年もの金利を100倍に引き上げた三菱UFJ銀行の他、三井住友銀行、三井住友信託銀行が定期預金金利の引き上げを決定し、みずほ銀行も検討中です。
(2)外貨建て預金
金利引き上げは、米ドル建て商品が先行し、三井住友銀行は5年ぶりに大幅に引き上げました。
その他、SBI新生銀行、ソニー銀行、条件付きですが三菱UFJ銀行も追随しています。
(3)生命保険
オリックス生命保険は保険料を引下げ、住友生命保険は一時払い終身保険の予定利率を2ヵ月連続で引き上げ、約7年ぶりに1%台へのせました。
学資保険では、明治安田生命保険が12月以降の契約分から学資保険の予定利率を6年ぶりに1.3%に引き上げます。
(4)住宅ローン
住宅ローンの金利は、返済日まで全期間の金利が固定している「全期間固定型」、当初一定期間の金利を固定する「固定期間選択型」、一定期間ごとに金利が見直される「変動型」の3種類に大きく分かれます。
固定型の金利は長期金利、変動型の金利は短期金利に連動します。
短期金利に連動する「変動型」の金利は各行とも据え置いていますが、長期金利に連動する「固定型」の金利は徐々に上昇しつつあります。
今回の住宅ローン固定型の金利は、10月末の日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正分が反映されていない可能性が高く、12月もさらに上昇することが考えられます。
4.まとめ
将来、日銀のマイナス金利が解除されれば、今よりも幅広い金融商品で金利引き上げの動きが本格化するでしょう。
そうなれば、住宅ローン金利への影響は、「変動型」にも波及し、「変動型」を利用している家計にとっては、大きな金利負担となります。
長引く超低金利の時代が終焉を迎え、今後の金利動向を見据えて、家計管理に真剣に取り組むときが来たのかも知れません。
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