ふるさと納税の賢い使い方

コロナ禍を機に、一段と人気が出てきた「ふるさと納税」。

利用実績は、平成20年度の受入額81.4億円(受入件数5.4万件)に対し、令和2年度の受入額6724.9億円(受入件数3488.8万件)と急上昇しています。

 ※出所:総務省HP「令和3年度ふるさと納税に関する現況調査について」

今年も残り約3ヶ月となり、これから利用しようという方もいらっしゃるでしょう。

人気のふるさと納税ですが、メリットだけでなくデメリットもあることを知って利用しましょう。

ふるさと納税とは

「納税」という言葉がついていますが、実際は「寄付」です。

都道府県・市区町村に対してふるさと納税(寄付)をすると、一定の上限額までは実質2,000円の自己負担で地域の特産品を受取ることができます。

また、使い道をはっきり示して寄付を集める「クラウドファンディング」という方法を使う自治体もあります。

2,000円を超える部分は、原則としてその年の所得税・翌年の住民税から控除できる仕組みです。

税制を通じてふるさとへ貢献する仕組みができないかという想いから「ふるさと納税」は導入されました。


利用の流れ


①控除できる寄付金の上限額を調べる

 ・家族状況や年収などによって控除される上限額が変わります。

  上限額を超えた場合は、自己負担分が多くなってしまいます。

  ※所得税・住民税が納税していない人は、そもそも税額控除が受けられません。

 ・上限額の目安は、確認できます。

  ※総務省や各ポータルサイトでのシミュレーション、自治体への問い合わせ


②応援する自治体を選んで寄付する

 ・自治体やふるさと納税ポータルサイトを利用して、情報収集と申し込みをします。

  ※手続きは、一般的にはWebですが自治体への電話や書類の郵送・持参も可能です。

  ※支払方法は、自治体によってい異なります。

   クレジットカード、振込、現金持参など複数

 ・「ワンストップ特例制度」を利用する場合は「申告特例申請書」を請求します。

  ※ワンストップ特例制度とは、確定申告なしで寄付金控除が受けられる制度です。 

   給与所得者であること、年間寄付自治体が5つ以内であることが要件です。

   寄付先が5ヶ所以内の場合は、確定申告しなくても控除が受けられます。


②寄付した自治体から、返礼品・寄付金受領証明書を受取る

 ・返礼品が届くまでは、数週間から数ヵ月かかる場合があります。

 ・「ワンストップ特例制度」を利用する場合は、届いた「申請書」に記入し返送します。

  ※原則翌年の1月10日に自治体に到着している必要があります。

 ・Web上で手続きした場合は、「寄付金受領証明書」が郵送で送られてきます。

  ※確定申告に必要な書類です。再発行できないため大切に保管します。

  ※ワンストップ特例制度を利用し確定申告をしない場合は、提出不要です。

 ・返礼品は一時所得に該当し、年間50万円を超えた場合は超過分が課税対象です。


③住所地の所轄の税務署に翌年3月15日までに確定申告する

 ・寄附を証明する書類「寄付金受領証明書」などを添付します。


④所得税(その年)、住民税(翌年)が控除される

 ・「ワンストップ特例制度」を利用した場合は所得税からの控除はありません。

  その分を含めた全額が、翌年度の住民税から控除されます。


⑤居住地の役場から住民税決定通知書が届く


⑥減額された住民税を納付する

 ・会社員の場合は、給与から天引きされます。


人気の理由


①返礼品を受取れる

 ・一定の上限額までは実質2,000円の自己負担で地域の特産品を受取ることができます。

 ・各自治体では、寄付金額の3割以内に相当する返礼品を用意しています。

 ・コロナ禍で旅行する機会も減るなか、地域の名産品で旅行気分を味わえます。


②税額控除がある

 ・寄付金額の2,000円を超える部分はその年の所得税・翌年の住民税から控除されます。

  例)寄付60,000円→税額控除58,000円+18,000円分の返礼品


③自分の居住地以外の市町村に寄付できる

 ・遠く離れた自分のふるさとの地域活性化を応援できます。


④お金の使い道を指定できる

 ・被災地の復興、子育て、まちづくりなど、さまざまな使い道が用意されています。


⑤ポイントを取得できる

 ・ポータルサイトの中には、キャッシュバックやポイントが取得できるものがあります。


注意点


①減税・節税ではない

 ・ふるさと納税は寄付で減税や節税ではないため、税金が安くなるわけではありません。

 ・住民税・所得税を納税していない方は、税額控除のメリットはありません。


②控除の対象金額には上限がある

 ・上限を超えれば、控除の対象外となり自己負担となります。

 ・前年よりも減収リスクがある場合は、その分寄付金額を控えたほうがよいでしょう。

 ・上限額の目安は、確認できます。

  ※各ポータルサイトでのシミュレーションや、自治体への問い合わせ


③確定申告などの書類作成に手間がかかる

 ・控除を受けるためには、原則として確定申告が必要です。

 ・ふるさと納税以外に確定申告しない場合は、ワンストップ特例制度が利用できます。

  確定申告の手間を省くことができます。


④ワンストっプ特例制度の受付期限

 ・翌年1月10日までに、寄付先で「申告特例申請書」が受付されている必要があります。

  ※間に合わなかった場合は確定申告が必要です。


⑤確定申告をする場合、ワンストップ特例は利用できない

 ・確定申告する場合は、ワンストップ特例制度が利用できません。

  例)6つ以上の自治体への寄付、住宅購入1年目、医療費控除、損益通算、雑所得20万円以上、給与所得が2,000万円超場合など


⑥寄付者の名義分のみ控除される

 ・名義が違う場合は、所得税も住民税も控除されません。


⑦寄付したい自治体に返礼品がない場合がある


⑧寄付する時期

 ・寄付する時期によって、贈られる返礼品が異なります。

  生鮮食料品などは、冷蔵庫に入りきらなくなることもあります。

⑨余裕資金で利用する

 ・金銭的なメリットを受けられるのは翌年の課税のタイミングです。

  寄付した分は手元から現金がなくなるため家計に余裕があることが必要です。


主なふるさと納税ポータルサイト

ふるさと納税を利用する際、情報収集や申込で役に立つのがポータルサイトです。

掲載自治体数や決済方法、ポイントやキャンペーンなどが異なるため、特徴を理解して利用しましょう。

・総務省ふるさと納税ポータルサイト https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html 

・ふるさとチョイス https://www.furusato-tax.jp 

・さとふる https://www.satofull.jp 

・楽天ふるさと納税 https://event.rakuten.co.jp 

・ふるなび https://furunavi.jp 

・ふるさとプレミアム https://26p.jp 

・auPAYふるさと納税 https://furusato.wowma.jp 

・ANAのふるさと納税 https://furusato.ana.co.jp 


まとめ

ふるさと納税は、税額控除や返礼品などのメリットだけではなく、被災した自治体の復興支援など、自治体を応援することもできます。

10~12月は、寄付上限の枠を残した人が駆け込みで利用するため申し込みが集中します。

とくに人気の返礼品は、早めに品切れになるため早めに申込んだ方が得策です。

ふるさと納税の仕組みや目的をしっかり理解して、計画的にメリットを活かしましょう。

翌年の住民税決定通知書で税額控除されているか確認することもお忘れなく。