2月13日は、語呂合わせ、213(ニイサ)からとって、「NISAの日」です。
ますます人気のNISAですが、口座は、開設したものの、用語がわからなくて、途中で投資を諦めてしまう人もいます。
せっかく開設したのに、もったいない。
ということで、今回は、投資信託の用語について、お伝えします。
1.NISAとは
まず、NISAからお話すると、正式名称は「少額投資非課税制度」と言います。
金融商品で得た利益には、通常、約20%の税金がかかります。
ですが、NISA口座の場合、毎年一定の範囲であれば、つまり非課税になるという、お得な制度です。
10万円の利益だと、約2万円違いますから、この差は大きいですね。
今のNISAは3種類。
①一般NISA:年間120万円まで投資可能
②つみたてNISA:年間40万円まで投資可能、積立専用
③ジュニアNISA:年間80万円まで投資可能、未成年者用
「つみたてNISA」は、対象が投資信託のみ。
「一般NISA」「ジュニアNISA」は、投資信託に加え株式も対象になります。
口座数は、2022年9月現在で、合計1,753万。
2021年末に、一般NISAの口座数が減少しています。
これは、マイナンバーの届出をせず枠の設定もしていない口座は、税法上廃止されることから、その分を除外して修正していることが影響しています。
それ以降、表面上は減少してますが、実質的には、NISAがスタートから、ずっと増加傾向です。
特に、つみたてNISAは人気です。
以前は、20代30代が牽引していましたが、最近では、40代や50代の方の開設も増えてきています。
このNISAは、2024年に改定されます。
「ジュニアNISA」は、今年で新規購入は終わりですが、「一般NISA」「つみたてNISA」は、枠が増えて、期限もなくなり、今よりも、かなりバージョンアップします。
詳しくは、開設したブログや動画がありますので、ご参照ください。
「ほぼ満点!2024年NISA改正」
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2.投資信託とは
次に、投資信託について。
(1)投資信託とは
「投資信託」とは、多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、投資のプロが運用して、成果を分配する金融商品のことです。
「ファンド」とか、省略して、「投信」とかとも呼ばれます。
(2)メリット
投資信託のメリットは、大きく3つあります。
①少額で始められる
株式や債券は、ある程度まとまった資金が必要ですが、投資信託は、1万円程度から利用できます。
積立の場合、金融機関にもよりますが、100円、1,000円から利用できます。
1人1人の金額は少額でも、1つにまとめると、何十億という大きな金額になるため、効率よく運用できます。
②投資のプロが運用
投資する資産や国の経済などの知識を得るのは、なかなか難しいものです。
投資初心者はもちろんのこと、経験が長い方も、分野によっては、得手不得手があります。
投資のプロであるファンドマネージャーが、豊富な知識や経験を活かして、投資家に代わって、運用します。
個人では買いにくい海外ものや、特殊な金融商品への投資も可能です。
③分散投資ができる
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資格言があります。
これは、卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落としたとき、卵は全滅ですが、複数のカゴに分けて盛っておくと、一つのカゴを落としても、被害は最小限に抑えられるという意味です。
投資は、1つの商品だけではなく、複数の商品に分散した方が良いという教えです。
個人で分散投資する場合、多額な資金が必要になりますが、投資信託なら、さまざまな資産に分散投資することができます。
投資信託は、分散投資に適しており、投資初心者の方が始めやすい金融品だと言えます。
(3)デメリット
ですが、投資信託にもデメリットは、大きく2つ、あります。
①元本保証ではない
投資信託は、購入したときより、値上がりすることもあれば、値下がりすることもあり、元本の保証がありません。
購入金額よりも下回る可能性がありますから、銀行預金と混同しないようにしましょう。
②コストがかかる
投資信託は、運用をプロに任せたり、管理をお願いしたり、それぞれ運用するための費用が発生します。
ここも、銀行預金とは違うところです。
3.用語を知らないと危険!?
①投資が始められない
投資信託を買おうと思ったのに、用語が難しくて、止めてしまった、というお話をよく聞きます。
せっかく、意を決し、始めようと思ったのに、もったいないですね。
②損をする可能性が高まる
投資信託の仕組みやルールなどは、用語から学ぶことが多くあります。
用語が分からず、曖昧にしたまま、投資を続けていると、思わぬ落とし穴に、はまってしまいます。
③自分に合った投資信託が選べない
投資信託と、一言で言っても、6,000本ほどもあり、その種類もさまざまです。
購入する時には、何を基準にするかが、とても重要になります。
用語はそれぞれの投資信託の特徴も表しています。
知っていると、その商品への理解度は、格段に上がり、自分に合った方法や商品がわかります。
4.初心者が知るべき投信用語10選
それでは、初心者が知るべき投資信託の用語10個をご紹介します。
①基準価額
投資信託の値段のことです。
取引単位である1口当たりで表されます。
購入や解約する時は、この基準価額で取引されます。
基準価額は、投資信託が保有する株式や債券などの時価評価の総額に、利息や配当金などの収入を加え、そこから運用コストを差し引いた金額を総口数で割って算出します。
ほとんどは1万円からスタートしますが、1万円を超えるものが必ずしも、運良い投資信託とは言えません。
株式のようにリアルタイムで変化するわけではなく、1日に1回計算され発表されます。
基準価額を知る方法は、新聞を見る、販売会社や運用会社に直接電話で聞く、販売会社や運用会社のHPを見る、などがあります。
②リスク・リターン
「リターン」とは、投資で得られる利益のことで、「リスク」とは、このリターンの振れ幅のことです。
保険では、「危険」という意味で使われますが、金融商品では、意味が少し変わります。
振れ幅が大きいことを「リスクが大きい」、小さいことを「リスクが小さい」といいます。
この「リスク」と「リターン」の関係は、比例します。
ハイリスク・ハイリターンっていう言葉を聞いたことはないでしょう?
「リスクが大きいものほどリターンが大きい」、「リスクが小さいものほどリターンが小さい」という傾向を表しています。
このリスクには、さまざまなものがありますが、代表的なものは「価格変動リスク」です。
解約するとき、購入金額を上回る場合もあれば下回る場合もあるということです。
ほかにも、「信用リスク」や「為替リスク」、「カントリーリスク」などのリスクがありますが、大半は、この「価格変動リスク」につながります。
③購入時手数料
購入する時に、証券会社や銀行などの販売会社に支払うため、「販売手数料」と言うこともあります。
手数料率は、商品によって異なりますが、申込価額の数%というように、上限が決められていて、その範囲内で、販売会社が個別に決めています。
「つみたてNISA」は、購入時手数料がないファンドが対象です。
そのほか、商品や販売会社によっては、この手数料がない場合もあります。
購入時手数料がない商品は、「ノーロード」と言います。
投資信託にかかるおもな費用については、このほか、2つ、「信託報酬」と「信託財産留保額」があります。
④信託報酬(+信託財産留保額)
「信託報酬」は、「運用管理費用」とも呼ばれ、かかる費用3つのうちの一つです。
投資信託を保有している間、ずっと負担し、毎日、投資信託の財産の中から支払われています。
ファンドの運用・管理サービスの対価として、運用会社や、販売会社、信託銀行にそれぞれ支払われています。
信託報酬の率は、商品によって違いますが、どの金融機関でも同じです。
運用期間が長期になるほど、リターンへの影響が大きくなります。
長期運用する場合は、信託報酬が低い方が好まれます。
「つみたてNISA」は、低めに設定されている投資信託が対象です。
また、解約するときに、投資家の間で不公平が出ないように「信託財産留保額」という費用が発生する投資信託もあります。
徴収された金額は、投資信託が保有する財産である「信託財産」の中に組み込まれ、基準価額に反映されます。
⑤純資産総額
「純資産総額」は、投資信託の規模を表しています。
規模が小さいと運用に影響がでますし、繰り上げ償還になるケースもあります。
購入する時は、最低限50億、100億円以上は、あった方がいいでしょう。
この純資産総額が急激に減少している場合は、まず、状況を確認してみましょう。
同時に基準価額も下落している場合は投資対象の値下がりによる減少、基準価額があまり下落していない場合は資金の出し入れによる減少と判断してよいでしょう。
類似ファンドより、大きく減少している場合は、今後も保有するかどうか、検討した方がいいでしょう。
⑥分配金
投資信託には、分配金がでるタイプと、出ないタイプがあります。
分配金とは、運用で得た収益を決算ごとに、投資家に分配するお金のことです。
国内投資信託では、2種類あります。
それぞれ、分配の仕組みや税金などが違います。
1つは、「普通分配金」。
運用によって得られた利益(=元本を上回った分)を投資家に支払います。
これは、投資家の利益になる分配金のため、課税されます。
もう1つは、「特別分配金」。
特別分配金は、個別元本を下回る部分から、支払われる分配金です。
「個別元本」は、同じ投資信託を売買するたびに、再計算される「投資家ごとの平均取得価額」です。
特別分配金は、元本を取り崩す、いわば、タコ足分配なので、利益が出たわけではありません。
そのため、課税はされません。
特別分配金は、元本から払われているため、「元本払戻金」とも言います。
分配金が出る投資信託でも、商品によって、毎月とか、年何回とか、回数は異なります。
また、分配金額も、運用成果に関わらず事前に決まっている場合と、運用実績次第で変動する場合とさまざまです。
以前は、毎月分配型が人気でしたが、最近では、その傾向は薄れてきました。
分配金を出す回数が多いほど投資効率は悪くなりますし、運用成績の不振からタコ足配当となる商品が多かったことなどが影響しています。
ですが、公的年金の補完として、あえて毎月分配型の商品を利用する方もいます。
つみたてNISAでは、毎月分配型の投資信託は対象外ですから、注意しましょう。
⑦指数(+ベンチマーク)
インデックスの日本語訳が、指数です。
あるルールから選んだ対象から計算された数値のことです。
指数は、市場や商品の平均値を表していますから、市場の動きを知るための、モノサシのようなものです。
「日経平均株価」や、「NYダウ」「S&P500」をニュースなどで聞かれたことはないでしょうか?
これが、指数です。
この指数を運用の目標としている投資信託が多くあります。
この目標を「ベンチマーク」と言います。
ベンチマークを見れば、その投資信託がどういうタイプのものか、大体わかります。
もし、その投資信託が10%値下がりしていても、ベンチマークが20%下がっていれば、指数の下げよりは優秀な商品だと言えます。
⑧インデックスファンド・アクティブファンド
投資信託は、運用方針の違いによって、おもに「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に分けられます。
指数に連動するよう設計されたのが「インデックスファンド」、指数を上回る運用成績を目指すのが「アクティブファンド」です。
「インデックスファンド」は、「パッシブ」とも言われます。
インデックスファンドは、指数と連動しますから、人的なコストがかからない分、手数料などのコストが比較的低めに設定されています。
組入れの銘柄も指数と同じのため、初心者方でも、動きがわかりやすいですが、指数以上の利益は期待しにくいデメリットもあります。
アクティブファンドは、ファンドマネージャーが市場や銘柄を分析するなどの人的なコストが発生するため、手数料や信託報酬はやや高めに設定されていますが、指数以上の利益が期待できます。
どちらが優れているというわけではありません。
コストを抑えて、わかりやすいもので運用したい場合は「インデックスファンド」。
インデックスファンドは物足りない、もっと高い運用成果に期待したいなら「アクティブファンド」というように、それぞれの特徴を理解して、自分に合った商品を選んでみてはいかがでしょうか。
⑨目論見書(もくろみしょ)
投資信託商品の説明書です。
投資信託の特色やリスク、手数料や費用、実績などについて、くわしい情報が書かれている重要なものです。
この目論見書は、2種類に分かれます。
1つは、商品を購入する時に、必ず交付される「交付目論見書」。
もう1つは、請求して初めて交付される「請求目論見書」です。
これらの目論見書には、重要な用語が掲載されており、これから購入する人、既に保有している人、みなさんにとって、役に立つ内容です。
ページ数がかなり多いため、読むには苦労するかも知れません。
ですが、少なくとも「目的・特色」「リスク」「運用実績」「手数料」くらいは、見ておきましょう。
掲載されている項目や順序は、どの商品も統一されているため、他の商品と比較する時にも便利です。
⑩証券口座
株式や投資信託などの投資商品を売買するときに必要な口座です。
「証券総合口座」や、「総合取引口座」とも言います。
銀行で初めて投資信託を購入する時は、すでに普通預金の口座があったとしても、それとは別に、この証券口座が必要になります。
費用はかかりません。
もし、自分が、取引している銀行が倒産した場合、1,000万円まではペイオフという制度で保証されています。
証券口座は、このペイオフはありませんが、会社が保有する資産と、お客さまが保有する資産は「分別管理」しているため、元本価格は変わるでしょうが、返還されます。
証券口座は、大きく、「特定口座」と「一般口座」の2種類に分かれます。
個人が投資信託で利益を得た場合、2009年の税制改正によって、原則、確定申告が必要となりました。
確定申告に慣れている人はいいですが、そうでない人にとっては、納税手続きは大変な作業です。
特定口座は、金融機関が、投資家に代わって、1年間の損益計算をしてくれる口座です。
特定口座は、さらに、金融機関が、損益計算も納税も代行するため確定申告が必要ない「源泉徴収あり」と、損益計算だけ代行するため確定申告が必要な「源泉徴収なし」の2つに分かれます。
特定口座を開設しない場合は、一般口座となり、損益計算も確定申告も、すべて、自分でおこないます。
口座を開設するときは、「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」のどれかを選択することになります。
例えば、確定申告の手続きが面倒、所得控除の判定が気になるようであれば、「特定口座の源泉徴収あり」。
複数の金融機関で取引、還付を受けたい場合は、「特定口座の源泉徴収なし」を選択するという方法もあります。
ただし、損失が大きい場合は、確定申告をしないと損失の繰越控除ができず、結果的に、所得税を多く払うことになりますので、注意しましょう。
どの口座が適しているかは、人それぞれのため、十分に理解して、自分にあった口座を選びましょう。
5.まとめ
NISAの利用は増えてきましたが、投資信託の用語を知らないと、危険を招くこともあります。
投資信託は、少額で購入でき、投資のプロに運用を任せ、分散投資ができるため、初心者の方でも始めやすい金融商品です。
読み方が難しいものもありますが、学べることも多いため、少しずつ身につけていきましょう。
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