人生には、さまざまなライフイベントがあり、何かとお金がかかります。
なかでも、教育・住居・老後の3つの費用は「人生の3大支出」と呼ばれるほどの大きな出費です。
安心のために、前もって、貯蓄で備えておきたいところですが、貯めやすい時期と貯めにく時期があることをご存知でしょうか。
1.貯蓄はメリハリも大事
お金は、人生のステージによって、貯めやすい時期「貯め時」と、貯めにくい時期「使い時」があります。
お金持ちは、この時期に合わせて、お金の使い方や貯め方に、メリハリをつけています。
「使い時」は、欠くことができない出費ですから、貯まらないのは仕方ないと割り切って、予算の範囲内で使います。
その代わり、「貯め時」には、その分、計画的に、しっかり貯めます。
2.人生の貯め時・使い時
では、その、「貯め時」、「使い時」は、いつなのか?
人生で「貯め時」は3回、「使い時」は2回あります。
(1)貯め時は3回
①就職~結婚(独身時代)
最初は、就職してから、結婚するまでです。
人生で最も貯めやすい時期です。
就職直後のため、収入は、まだ少ないですが、支出も少なくて済みます。
出費を自分でコントロールできますから、お金が残りやすいと言えます。
社会人になったら、まず、銀行の積立定期や、勤務先にあれば、財形貯蓄などを利用してみましょう。
毎月の積立金額の目安は、実家暮らしの場合は手取り収入の3割、1人暮らしの場合は手取り収入の2割程度が理想です。
②結婚~子どもが小学生
次は、結婚してから、子どもが小学生の時までです
最近では、共働きのご家庭が増えてきました。
結婚の前後は、何かとお金がかかるかも知れませんが、落ち着けば、2人分の収入ですから、余裕がでてくるはずです。
また、子どもが生まれても、小学生の間は、教育費の負担も少ないため、比較的貯めやすい時期となります。
ただし、小学校でも高学年になると、習い事や中学受験などで、お金がかかる場合があります。
タイムリミットは、小学校低学年までと、考えた方がいいかも知れません。
教育費は、子どもが小さいうちに、どれだけ貯められたかが、大きく左右します。
この時期に貯蓄することで、高校・大学の進学の選択肢も増えます。
子どもができたら、なるべく早く、貯蓄をスタートさせましょう。
また、国から支給される児童手当は、なるべく使わずに貯めておきましょう。
3歳までは月額1万5,000円、3歳から中学卒業までは月額1万円、所得が高い世帯は、一律5,000円が支給されます。
総額にすると、200万円弱になります。
教育費の負担がピークとなる大学入学以降に備えておきたいですね。
③子どもの独立~定年
最後は、子どもが就職してから定年退職する時までです。
今まで、子供にかかっていた費用が少なくなります。
ここからは、間もなくやってくる老後のために、ラストスパートをかけましょう。
この時期に、どれだけ貯められるかも、老後の生活を左右します。
この時期の貯蓄額は、今までの貯蓄額や、退職金などによって異なりますが、手取り収入の2~3割を目安にしましょう。
ただ、55歳で役職定年とする企業が多くあります。
2〜3割の収入減を想定しておいた方がいいですね。
忘れがちですが、子どもが独立し、家族構成が変わりますから、家計の収支も見直してみましょう。
貯め時は比較的余裕が出るため、必要以上にお金を使ってしまうこともあります。
「自分へのご褒美」を使いすぎないように、注意しましょう。
(2)使い時は2回
お金がかかる時期「使い時」は、これらの「貯め時」以外の2回になります。
①子どもが中学生~大学生
1つは、子どもが中学生から大学生の時期。
中学で、部活動や習い事が始まり、高校受験に向けて塾代もかかります。
高校や大学の入学金や授業料など、今まで以上に、出費が増えます。
②定年後~
もう1つは、定年退職後。
今までの労働による定期収入がなくなります。
公的年金の給付があれば、まだいいですが、給付前であれば、退職金があるとはいえ、心もとない限りです。
3.貯蓄ができない理由
でも、貯め時がわかっても、貯蓄ができない人もいるでしょう。
貯蓄できない理由は、当然、収入をあるだけ使ってしまっているからです。
支出をコントロールしない限り、出費がかさみ、お金は出ていく一方です。
年収や、住んでいる場所、家族の状況などで、貯蓄の難易度も変わってきます。
つい、衝動買いをしてしまう、コンビニでの買い物が日常的、趣味にあるだけお金を使う、など、細かい原因も人それぞれです。
出来ない理由を自分なりに、分析してみましょう。
4.貯蓄体質を目指す3ステップ
そして、貯蓄体質を目指すためには、まずは行動です。
必要なステップは、3つ。
(1)目的ごとにお金を分ける
まずは、目的ごとにお金を分けましょう。
なぜ、お金を貯めたいのか、目的をはっきりさせることが重要です。
マイホームなのか、教育費、老後資金なのか。
目的をはっきりさせることで、必要な金額がイメージでき、無駄遣いも防げます。
目的がはっきりしたら、お金を目的別に、4つに分けて、それぞれに合った金融商品で、貯めていきます。
①生活資金
1つ目は、生活資金です。
日常で使うため、出し入れしやすいように、普通預金にしておきましょう。
②予定資金
2つ目は、予定資金です。
例えば、結婚資金やマイホームなど、4~5年くらい先に使う予定があるお金です。
数年先に使う予定があるため、元本が割れないように、いざという時に出金ができる商品がいいですね。
例えば、普通預金よりもやや金利が高く比較的安全性が高い、定期預金や個人向け国債などが向いています。
③余裕資金
3つ目は、余裕資金です。
10年以上、使う予定がないお金です。
時間がありますから、将来のために、運用をしてみましょう。
元本保証ではありませんが、定期預金より増える可能性がある投資信託や株式などが向いています。
ぜひ、NISAやiDeCoなどの税制優遇のある制度を利用しましょう。
④緊急資金
4つ目は、もしもの場合に備えるお金です。
これも、いざという時に使えないと困りますから、普通預金に預けておきましょう。
一般的には、生活費の3ヶ月分と言われています。
ですが、病気やけがで働けなくなることなど考えると1年くらいの余裕があった方がいいかも知れません。
まったく、貯金がないという方は、投資信託や株式を検討する前に、ある程度のお金が貯まるまで、まずは、コツコツと積立定期などをした方がいいでしょう。
(2)毎月の収支を把握する(家計簿・節約)
次のステップは、毎月の収支を把握することです。
ライフプランの基本は、収支です。
貯蓄は、お金の過不足を知って、その中で、やりくりをする必要があります。
収支を知る方法の代表は、家計簿をつけることです。
ノートの手書き、パソコンのエクセルなど、いろいろありますが、お薦めは、スマホのアプリです。
レシートの読取、自動集計、簡単な分析もあり、便利です。
何にいくら使ったかもわかりますから、無駄な支出が発見でき、節約にもつながります。
それでも、どうしても家計簿がつけられないという方は、毎月の銀行口座をチェックしましょう。
毎月、銀行口座の残高を比較するだけでも、収支がわかります。
(3)貯蓄の仕組みをつくる(先取貯蓄)
ステップの最後は、貯蓄の仕組みをつくることです。
効率的に貯蓄できる方法として、「先取貯蓄」をご紹介します。
先取り貯蓄は、「収入が入ったら、まず貯蓄に回して、残りのお金で生活をやりくりする」方法です。
お金が貯まらない人の多くは、この逆の行動をしています。
収入が入ったら、まず使って、残ったら貯蓄をするという方法です。
自分の意志だけでは、どうしても甘えが出てしまいます。
「今月は外食が多かったから、貯蓄しなくてもいいや」など、なかなか残りにく状況です。
具体的な方法は、いくつかあります。
例えば、給与天引きで社内の財形貯蓄をしたり、つみたてNISAやiDeCoなどの非課税制度を使ったり、積立定期で、毎月、口座から引き落とすようにしたり、などがあります。
毎月の貯蓄の目安は、平均で、手取り収入の2割と言われていますが、まずは、無理のない金額から始めてみましょう。
5.まとめ
貯蓄体質は、じつは小学生の時の経験が大きく影響します。
小学生の時、お年玉やお小遣いを貯めて、欲しいものを買ったことはないですか?
収入こそありませんが、自分なりに工夫して、少しずつ貯まっていくことが嬉しかった。
そんな経験が、貯蓄体質の土台をつくります。
最近では、高校でも、資産運用の授業が義務化されています。
お子さんがいらっしゃれば、小さいうちから、そういう金融教育も必要ではないでしょうか。
人生の貯め時にある人は、自分にあった方法で貯蓄を優先して、貯め時でない人は、節約を心がけて、可能なら、少し貯蓄をしてみる。
そんなスタイルで、資産形成してみては、いかがでしょうか。
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