1月3日、ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏が「びっくり10大予想」を公表しました。
今年は、どんな内容になっているのでしょうか。
びっくり10大予想とは
「びっくり10大予想」は、ウォール街のご意見番として知られるアメリカ投資ファンド大手ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏が毎年発表するものが有名です。
発表は、今年で37年目となります。
※2020年からは最高投資ストラテジストのジョー・ザイドル氏との共同発表です。
内容は、発生確率を投資家が3分の1程度、バイロン氏自身が2分の1以上と予想する出来事で、的中率が高いこともあって注目を集めています。
2022年の内容
①株式はインフレ圧力拡大による調整売り
企業の利益は強いが利上げの影響により、S&P500種株価指数は高値から20%下落後、年末までに前年から横ばいになる。
グロース株は軟調になり、バリュー株が堅調になる。
②消費者物価指数は今年1年で4.5%上昇
コモディティ価格は下がるが、家賃は上昇を続ける。
③FRBは、年内に4回利上げを実施
米国10年債利回りは現在の1.63%前後から2.75%まで上昇する。
④オミクロンでも大規模集会平常化
アメリカでは大規模集会やスポーツイベントなどが復活するなど生活が平常に近づき、会社への出勤も週に3~4日の頻度まで復活する。
⑤中国の不動産投機規制強化により投資マネーが他の金融資産へ向かう
欧米の金融機関にとっては中国での資産運用ビジネスで大きな商機になる。
⑥インフレヘッジで金価格20%上昇
暗号資産がシェアを伸ばすものの、金のヘッジ需要が高まり1年間に20%程度上昇し最高値をつける。
⑦需給ひっ迫で原油価格100ドル超
原油の供給は十分拡大できず、WTIは1バレル100ドルを超える。
⑧原子力エネルギー再評価
安全性向上が図られ、核融合技術が将来のエネルギー源候補になる。
⑨ESGが企業ポリシーから規制へ
ESG(持続可能な世界の実現のために、企業の長期的成長に重要な環境(E)・社会(S)・カバナンス(G)の3つの観点)が企業による方針表明を超えて規制へと発展する。
⑩電気自動車の電池市場を中国が掌握
電器自動車の普及により需要が高まったリチウム電池の市場を中国が独占し、アメリカは電気自動車の生産計画が予定どおりに進まない。
まとめ
市場の見通しとして特に注目したいのは「インフレ拡大」「金利上昇」「株式調整売り」でしょう。
最近ではアメリカ株に投資する個人投資家も増えたため、今回の「横ばい予想」に動揺した方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、投資は本来「長期」「分散」でおこなうものであって目先のことに一喜一憂するものではありません。
いずれにしても天井を付けてしまったのか、それとも上昇相場の休憩なのか、ウィーン氏の今後の発言にも引き続き注目したいものです。
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