資源エネルギー庁は16日、レギュラーガソリンの店頭価格(14日現在の全国平均)が1リットル181.9円と発表しました。
これは、約15年ぶりの最高値に迫る水準です。
1.15年ぶりの高値水準
ガソリンの値上がりは、5月下旬から13週連続しています。
資源エネルギー庁が統計を始めて以来の最高値(2008年8月の185.1円)に、約15年ぶりに迫っています。
特に、自動車が必要な地方では、ガソリン高騰目立ちます。
ガソリン価格が全国でトップクラスの長野県では、県平均が190.4円と最高値を更新しました。
山間部で輸送費がかかるためと見られています。
他にも、山形、栃木、群馬、香川、沖縄などでも今年高値を更新しています。
海外のガソリン価格も上昇基調にあるものの、日本に比べると小幅上昇にとどまっています。
アメリカは、10カ月ぶりの高値水準。
ドイツは、1年1カ月ぶりの高値水準。
日本のガソリン価格の上昇が際立っています。
これ以上の円安が進む、または原油相場が上昇すれば、9月末に190円程度まで上昇するという声もあります。
2.ガソリン代高騰の背景
ガソリン代高騰の背景には、日本独自の理由も見え隠れします。
(1)原油高
主要産油国であるサウジアラビアが自主減産を実施し、アジア向けの輸出価格も引き上げています。
原油のアジア指標となる中東産ドバイ原油の平均価格は、8~14日に1バレル87ドル台と前週と比べて2%上昇しました。
2022年11月以来9カ月ぶりの高値圏にあります。
(2)円安
円安・ドル高も、日本のガソリン価格を押し上げています。
ドル建てで取引される原油は、円安が進めば輸入価格が押し上げられます。
現在は、1米ドル=145円前後と、32年ぶりの円安・ドル高水準をつけた22年10月の151円台に迫っています。
最高値をつけた08年8月の107~110円程度と比較しても、30円以上の円安・ドル高が進んています。
(3)供給量の減少
石油業界の構造の変化によって、供給量や価格競争が減少したことも原因と考えられます。
2009年に政府は、「エネルギー供給構造高度化法(エネ高度化法)」を施行しました。
少子化や乗用車の燃費改善によるガソリンの需要の落ち込みを受け、石油元売り各社に余剰な製油所能力の削減を求め、需給バランスの改善を促したのです。
これを受け、元売りは「ENEOSホールディングス」「出光興産」「コスモエネルギーホールディングス」の大手3社に集約されました。
集約によって、国内製油所の原油処理能力(日量)は、2008年4月の489万バレルから333万バレル(2021年3月現在)へ約3割減少しました。
処理能力の減少は、供給量の減少にもつながり、小売り価格の引き下げにつながっていた「業者間転売」も衰退しつつあります。
(4)補助金の縮小
政府は、2023年6月から、2022年1月に始めた補助金を段階的に縮小しています。
現在の原油と為替の水準が9月末まで続けば、補助率の低下で補助金は7円ほど減る試算になります。
3.ガソリン代を節約する方法
個人がガソリン代の高騰を止める方法はありませんが、ガソリンの消費量を節約する方法はあります。
ここでは、7つの方法をご紹介します。
(1)発進時のアクセルは緩やかに踏む
自動車のエンジンは、アクセルを強く踏んで回転数が上がるほど、燃料消費が激しくなります。
ガソリン車は発進時に多くのガソリンを使用します。
そのため、急発進や急加速、空ぶかしを避け、アクセルを緩やかに踏み込むことが有効です。
コツは、以下の2つです。
①シート位置の設定
ブレーキを強く踏んだ時に、ひざが伸び切らない位置に設定する。
②5秒で時速20kmへ
発進から5秒ほどかけて、時速20kmになるように踏むとようにする。
(2)エンジンブレーキを使う
自動車の多くは、エンジンブレーキの使用時には、燃料の供給が停止される仕組みになっています。
そのため、減速する時は、フットブレーキよりもエンジンブレーキを利用した方がガソリンの節約につながります。
急ブレーキを避けるために、前方の道路状況を確認して早めにアクセルから足を離します。
こうすることでエンジンブレーキが作動し、約2%の燃費が改善されます。
(3)不要な荷物をおろす
車の燃費は、荷物の重さに大きく影響されます。
たとえば100㎏の荷物で、約3%の燃費が悪くなります。
ゴルフバックやアウトドアセットなど、普段使わない荷物はトランクから降ろしておきましょう。
また、ガソリンも満タンにすると重くなるため、半分程度にしておくのも方法です。
(4)エアコンの使用を控える
カーエアコンの使用もガソリンを消費します。
窓を開けることが難しい猛暑は、一度車内を冷却後、「内気循環モード」を使用することで消費の節約につながります。
(5)アイドリングを減らす
エンジンのアイドリングも、ガソリンを消費します。
目安として、駐車・停車を5秒以上おこなう時は、アイドリングは控えましょう。
(6)タイヤの空気圧を適正に保つ
タイヤの空気圧が適正でないと、燃費が悪くなります。
そのうえ、ハンドルが重くなるなど、事故につながるような問題も発生しやすくなります。
タイヤ点検の適切な頻度は、1ヶ月に1回以上ですが、6割以上の人がおこなっていないようです。
有人のガソリンスタンドでは、タイヤの空気圧を測ってくれることがありますよね。
勧められても、面倒だからといって断らず、点検をお願いしてみてはいかがでしょうか。
(7)エンジンオイルを適度に交換する
エンジンオイルの劣化によってエンジンの回転効率が落ちるため、燃費が悪くなります。
こちらも適切な頻度で交換するようにしましょう。
4.まとめ
このほか、行楽シーズンや帰省の時は、事前に目的地までの道路状況を確認して、渋滞を避ける工夫も重要です。
JAF(日本自動車連盟)の発表によると、燃費が20%向上すると、ガソリン代は約17%削減できるそうです。
ガソリンを節約することは、ガソリン代を抑えるだけでなく、環境にもやさしく、交通安全への意識も高まります。
ただし、無理のないよう、安全運転を心がけながら節約したいですね。
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