12月アノマリーを考える

マーケットに存在するアノマリー(経験則)の中には、毎年ある時期になると決まって現れる季節的特徴を持ったものがあります。

台風が夏から秋にかけて多く発生することに理由があるように、季節的特徴を持ったアノマリーにも理由があります。

12月に関係するアノマリーやスケジュールを探してみました。



「掉尾の一振(とうびのいっしん)」


「掉尾の一振(とうびのいっしん)」とは、年末の最後の売買日となる大納会(12月30日)に向けて5営業日くらい前から株価が上昇しやすいことをあらわす相場格言です。

「掉尾(とうび)」 =物事や文章の終わりに勢いをふるうこと、または最後

「一振(いっしん)」=きっぱりと取り払うこと

二つの言葉を合わせると、「物事の終わりに勢いを増すこと」という意味になります。

要因は、新年相場への期待感、年末の節税対策(含み損の解消)の売りが一巡したことによる売り圧力の減少、あるいはファンドなどによる期末のドレッシング買い※1などが挙げられます。

米国では同じような意味で「サンタクロースラリー」という言葉があります。

※1ファンドが月末などに運用成績をよく見せるためにおこなう買い注文


外国人投資家の動き(クリスマス休暇)


キリスト教徒にとって、一年でもかなり重要なイベントがクリスマスであり、外国人投資家たちは休暇を過ごすのが一般的です。

市場に戻ってくるのは、クリスマスを過ぎた26日ごろとなります。

また海外の主要な株式市場がクリスマスで休場になるため、海外勢や国内機関投資家の取引は限られます。


個人投資家の動き


クリスマスは、休みに入る機関投資家も多いため個人投資家に人気のある銘柄が上がりやすい時期でもあります。

大型株よりも小型株が買われる傾向にあります。


年末に上昇しやすい業種は?


過去には年末に上昇しやすい業種がありました。

東証2部やジャスダック市場は、上昇期待が高まる傾向があります。

・上昇しやすい業種:水産・農林業、化学、金属製品、精密機器

・上昇しにくい業種:不動産業、食料品、ゴム製品、輸送用機器、保険業

※算出基準:2010年~2019年の10年間における大納会前の5営業日での業種別株価指数


小型株は底をつきやすい?


小型株は、個人投資家による節税目的の損出し売りなどから12月底値をつけやすい傾向があります。

1月には小型株が相対的に上昇しやすい1月効果があります。


12月の注目スケジュール


指標の発表や会合などのスケジュールは、市場に与える影響も大きいため気にかけておきましょう。

・10日 メジャーSQ(特別清算指数):先物などの最終決済期日で決済するための価格

・14~15日 米FOMC(連邦公開市場委員会):アメリカの金融政策を決定する会合

・16~17日 日銀金融政策会合:日本の金融政策を決定する会合

・16日 ECB(欧州中央銀行)理事会:ユーロ圏の金融政策を決定する会合

・30日 大納会:年末の最終取引日


12月末決算の優待や配当の権利をとるために


株主優待や配当金を受け取るためには、「権利付最終日」までに株を保有または買付ける必要があります。

いつまでに株を保有して、いつ売却しても良いのか、日付を確認しておきましょう。

・12月28日 権利付最終日(この日までに買付=株主権利が得られる最終売買日)

・12月29日 権利落ち日(この日以降に売却可能=権利付最終日の翌営業日)

・12月30日 権利確定日(権利を得ることができる確定日)


まとめ


日経平均株価は、新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」に一喜一憂する状態が続いています。

株式売買のタイミングで悩むことも多いでしょう。

業績が悪いのは本当にその会社自体が原因か、コロナが落ち着いたらどうなるのか、投資期間をどれくらいにするのかなど、ご自身の投資目的や対象のデータを考える必要があります。

そういったことを振り返り冷静に判断するうえでも、過去データにもとづいているアノマリーは、少なからず参考にしてもよいのではないでしょうか。


※記事内容のアノマリーや季節的特徴は過去実績にもとづくものです。

 実際の投資は、ご自身の判断でお願いします。