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車の雹(ひょう)被害、こんなときどうする?



今月上旬、関東周辺では大粒の雹(ひょう)が降り、愛車を修理に出すドライバーが続出しました。

被害に遭われた皆さまにおかれましては、苦労はいかばかりかと心中お察し申し上げます。

天災を完全に防ぐことはできませんが、被害を抑えるために何をしておくべきでしょうか?


雹(ひょう)とは?


1.雹(ひょう)とは

氷の粒の直径が5mm以上を「雹(ひょう)」と呼びます。

積乱雲の中でつくられた小さな氷の結晶に、雲の中にある細かい水の粒が付着していき次第に大きくなります。

ある程度の大きさになると、重力によって塊のまま地表に降ります。


2.落下速度

大きければ大きいほど速くなります。

直径5㎜で時速36km、5cmで時速115km、7㎝になると時速140kmになります。


3.初夏に発生する理由

5月以降、地表付近の気温は上昇しますが上空には大陸からの名残の寒気があり、この冷たい空気と温かい空気が上下変動を起こしやすく「大気の状態が不安定」になります。

この状態になると雹を降らせる積乱雲が発生しやすくなるため、今の時期に雹が多くなります。


自動車に対する雹(ひょう)被害の予防


1.前兆を知る(天気予報)

天気予報で「雷を伴う」「大気の状態が不安定」「竜巻などの激しい突風」といった言葉が使われたり、雷注意報が発表されたりした場合は、天候の急変とともに雹(ひょう)が降ることがあります。


2.前兆を知る(急な気象変化)

(1)急に、周辺が暗くなる

(2)急に、ひんやりした風が吹いてくる

(3)雷光や雷鳴が聞こえてくる

(4)急に、強い雨が降ってくる


3.前兆を感じたら、なるべく早く屋内に避難する


4.自動車のボディを厚手の毛布や布団などで覆う


走行中に雹(ひょう)が降ってきたら?


1.激しい場合は、頑丈な屋内駐車場に避難する


2.豪雨をともなう場合は、冠水の危険がある道路の利用を避ける

自治体ホームページなどで公表しているハザードマップで浸水の起きやすい場所を確認しておくと、ルートを避けるヒントになります。


3.運転ができない、避難できる駐車場が見当たらない場合は、減速・停車

落ち着いて周囲の交通状況をみながら減速し、ハザードを点灯して道路の左側に寄せて停車しましょう。

※ガラスを突き破るような場合は、破片を浴びないように身を丸めながら車の中で待機しましょう。


被害にあったときの修理代は?


凹みの大きさや数、修理方法、車種によって異なりますが、数万円から高級車で300万円前後と言われています。



車両保険をつけていれば、保険金額を限度に修理代から免責金額を引いた額が支払われます。

車両保険の多くは、「一般型」と「エコノミー型」に分かれていますが(呼称は保険会社によって異なります)、雹はそのどちらでも補償範囲内に設定されています。

被害がひどいと修理代が保険金額を超える事があります。

その場合は全損となり、免責金額は引かれず、設定した保険金額が支払われます。


雹以外に補償できる自然災害として、台風、竜巻、洪水、高潮、落雷、隕石、山火事(火災扱い)があります。

なお、地震、噴火、津波などは補償が受けられません。


車両保険の契約内容によって異なりますので、ご自身が加入している保険会社に確認してみましょう。


車両保険を使うとどうなる?


「飛来中または落下中の他物との衝突による損害」の区分になり、翌年は1等級ダウンします。

また、事故あり係数適用期間が1年加算されます。


つまり、車両保険を使って修理をした場合、等級が1ランク下がり、翌年度の保険料が高くなり、等級が進むのも遅くなってしまいます。


等級ダウンによる保険料の値上がりがあったとしても車両保険を利用した方が良い場合と、修理代が少額で車両保険を使わずに自分で支払った方が良い場合とがあります。

個々の雹被害の状況によっても異なるため、車両保険の保険会社に相談してみましょう。



加入が義務付けられている自賠責保険と異なり、自動車保険(任意保険)の加入は任意です。

損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」によると、車両保険の加入者は平均46.2%と、所有者の半数以上が加入していない状況です。※2021年3月現在


天災を完全に防ぐことは難しいことで

ですが、事前に予防方法や加入している自動車保険の内容を確認しておくことは、こういった非常事態の備えとなることでしょう。


※実際のご利用は、ご自身の判断でお願いします。

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