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現役FPから見るファイナンシャルプランナーの選び方

11月5日は「FPの日」。

金融経済教育分野で活動する日本FP協会が毎年11月の第1土曜日を「FPの日」と定め、全国でお金に関するイベントを開催しています。

今回は、FPの日にちなんで、ファイナンシャルプランナーの選び方をお伝えします。


1.FPとは


「FP」とは、ファイナンシャルプランナーの略称です。

ライフイベントや夢の実現のために、資金計画やアドバイスをする暮らしのお金の専門家です。


アメリカでは医師や弁護士と同等程度の社会的地位がありますが、日本ではそこまでの文化が定着していません。

ですが最近は、激しい物価上昇、金融教育の開始、岸田総理の発言などから「金融リテラシー(知識や判断力)」への意識が高まりつつあります。

ファイナンシャルプランナー試験(FP技能検定)の受験者数が年々増加している点から見ても、ファイナンシャルプランナーの需要は増加していると言えます。


(1)専門範囲


主にお金に関する6分野について、アドバイスします。


①金融資産運用(資産運用の方法など)

②ライフプランニング(家計管理、年金など)

③タックスプランニング(各種税制など)

④不動産(不動産の評価・投資方法など)

⑤リスクと保険(保険の選択・見直しなど)

⑥相続・事業承継…相続・贈与


(2)FPの資格


「FP」の名称がつく資格は、大きく2つあります。

一般的には、以下の①または②の資格を保有していますが、その他にも保有しているFPは少なくありません。


①FP技能士(国家資格)

実施団体:日本FP協会・金融財政事情研究会(きんざい)

等級:1級(CFPと同等)・2級(AFPと同等)・3級

更新:不要


②AFP・CFP(民間資格)

実施団体:日本FP協会

等級:CFP(FP技能士1級と同等)・AFP(FP技能士2級と同等)

更新:必要


(3)働き方


働き方は、「独立系」と「企業系」の大きく2つに分かれます。

日本のFPは「企業系」が9割弱であり、3割弱のアメリカとは大きく異なります。

また、実際に保険や投資信託などを仲介(販売)するFPと仲介(販売)しないFPに分かれます。


①企業系FP

勤務先:FP専業ではない企業(銀行、証券会社、保険会社、住宅会社など)

収入元:金融商品の仲介(販売)が多い


②独立系FP

勤務先:FP専業の事務所を経営またはFP事務所に所属

収入元:相談料や講師料が多い


(4)IFA


FPと類似した業種に、「IFA」があります。

IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれ、独立・中立的な立場から資産運用のアドバイスをおこなう専門家です。


資産運用のアドバイザーという面ではFPと似ていますが、証券会社や銀行と業務提携を結び、株や投資信託などの売買の仲介をおこなう点が大きく違います。

ただ、FPとして活動している事務所もあります。


2.FPに相談するメリット・デメリット


「専門家に相談した」という心理的な支えは大きいようですが、デメリットもあります。


(1)メリット


①漠然とした不安が解消される

「とにかく老後が心配だ」と相談に来られるかたも多くいらっしゃいます。

お話をするなかで、「心配なのは経済面か健康面か」「予防するにはどれくらいの資金が必要か」など、不安内容が明確になってきます。

人によって生活スタイルや考えが違いますから一概には言えませんが、平均的な必要金額や対策方法を知るだけでも、漠然とした不安は解消されます。


②自分で気づかない問題点がわかる

例えば「節約をしているのに貯金ができない」「有名な投資家と同じことをしても損ばかりする」などがあれば、どこかにできない理由があるはずです。

相談することで、第三者の目線で、その問題点を指摘してもらえます。


③目標と計画が明確になる

例えば「こどもの教育資金がいくらかかるか知りたい」というご相談であれば、お子さんの数や進路先によって、「いつ」「いくら」かかるのかが大体わかります。

資金の必要な「時期」と「金額」がわかれば、それを目標にして計画を立てることができます。

計画を実行するために、「毎月〇円積み立てをする」「これは節約する」など、自然に家計管理もできてきます。


(2)デメリット


①相談料がかかる場合がある

独立系FPの多くは、相談1時間につき5,000円~10,000円というように相談料が発生します。

また、ライフプランや各種資料の作成、年間顧問契約には別途費用が発生します。

実際に相談するときには、事前に確認した方がいいでしょう。


②金融商品の勧誘を受ける場合がある

先述したとおり、金融商品を仲介(販売)するFPと、仲介(販売)しないFPがいます。

家計診断をしてもらうつもりが、意図せず、保険の提案を受けたというケースもあります。

こちらも、事前に確認した方がいいでしょう。


③自分に合ったFPを見つけるのが難しい

実は、これが一番難しいデメリットかも知れません。

商品の勧誘を受けたくないから独立系FPに相談したが、ちょっと合わなかったというケースもあります。

最近のFPの種類は多様ですから、最初に依頼したFPが必ずしもご自身の要望に合っているとは限らないですね。


3.FPを選ぶポイント


(1)FP資格を保有しているか

FP協会などの団体に所属していれば、継続的に学習していることや問題行動がない点も保証していることになります。

FPは、FP資格がなくても名乗れますが、少しでも信頼できるFPを希望するなら正式な資格保有者がいいでしょう。


(2)得意分野は何か

FPは、お金に関する専門家ですが、得意分野はそれぞれに異なります。

相談したい内容によって、その内容を得意としたFPを探すのがいいでしょう。

キーワードでネット検索したり、各FPのホームページで経歴や資格を見たり、ブログやYouTubeを参考にしてもいいですね。


(3)独立系か企業系か

相談内容や状況によって、企業に属している企業系FPか、属していない独立系FPのどちらに相談した方がいいのかが変わってきます。

例えば、あらかじめ商品の購入を具体的に検討している場合は、企業系FPが向いているでしょう。

逆に、商品の購入自体に悩んでいる場合は、企業から収入を得ない独立系FPの方が中立的なアドバイスが受けられます。


(4)相談料はいくらか

特に独立系FPは、相談料や設計書作成費用、顧問契約料などを設定している場合が多くあります。

ご自身が相談したい内容が、勧誘を受けてもいいから無料がいいのか、有料でないと解決できないものかどうかを考えた方がいいでしょう。


(5)相談しやすいかどうか

FPへの相談は資産状況だけでなく、生活や健康などの大事なことを話すことが多くあります。

いわば相性とも言えますが、ご自身の考えを遠慮なく話せるかどうかは、とても重要だと考えます。


4.FPを探す方法


FPを選ぶポイントが分かれば、あとは探すだけです。

方法をいくつかご紹介します。


(1)ネットで検索する


①相談したい内容で検索

対応できるFPのホームページが表示されます。

プロフィールや得意分野などを発信していますから、相談できるかどうかわかるでしょう。

ブログやSNSを見たり、電話で相手との相性を確認してもいいですね。


②エリアで検索

対面での相談を希望する場合は、グーグルマップなどで利便性の高い事務所を調べましょう。


③日本FP協会の公式サイトで検索

資格のランクにこだわりたい方は、協会に所属する最上位であるCFP資格を保有するFPが「CFP®認定者検索システム」で検索できます。


(2)知人に紹介してもらう


知人の紹介であれば、一から探すよりはハードルが下がります。

ただ、会った後に断れなかったという話も聞きますので、断っても大丈夫かどうか事前に確認しておいた方がいいかも知れません。


(3)相談会・セミナーに参加する


「FPの日」の前後は、FPや団体が主催するセミナーや相談会が多く開催されます。

参加することで、FPを探す手掛かりになるかも知れません。

その他、金融機関や保険ショップ、住宅展示場などを訪問するのもいいかもしれません。


5.まとめ


お金に関する不安は、ネットやSNSで解決することも多くなりました。

AIにより資産運用も進化し、各企業がサービスとして無料で提供することも増えてきました。

ですが、自分で気づかなかった潜在的な問題点や解決方法は、専門家と話すからこそ、引き出されることが多くあります。

お金に関して漠然とした不安があれば、「FPの日」を機会に、相談されてみてはいかがでしょうか。


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