7月、某芸能人が渦中にあると報じられ、話題となった「投資トラブル」。
現在悩みや将来の不安を煽り、詐欺被害は巧妙になってきています。
被害に遭わないためには、どうすればいいのでしょうか。
増える若年層の被害者
投資詐欺とは架空や低価値の未公開株、FX、事業などへ投資・出資を儲けられると持ちかけ、お金を騙し取る行為のことをいいます。
かつては、被害者の多くは高齢者でしたが、年々若年層が増加しています。
若年層が増加した背景には、老後資金の不安やSNSでの勧誘などが考えられます。
詐欺的な投資勧誘に関するものが1,426件あり、そのうち1,152件が何らかの被害があったものとなっています。
■年齢別内訳
・20歳代以下:88
・30歳代~40歳代:178件
・50歳代~60歳代:128件
・70歳代以上:62件
・年齢不明:970件
出所:金融庁「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(期間:令和4年1月1日~同年3月31日)
投資詐欺のよくある手口
その手口は巧妙になってきていますが、パターンを知っておくことで、ある程度防止でるでしょう。
1.劇場型
複数の登場人物がそれぞれの役を演じることで人を騙す手口で、振り込め詐欺でも用いられます。
例えば詐欺師Aが「〇社の株を買いませんか?」と勧誘し、数日後に詐欺師Bが「〇社の株を高く買い取りたい」と電話してきます。
一見関係のない複数の登場人物によりストーリーが成り立つため、〇社の株が有望だと信じてしまいます。
2.被害回復型
過去に詐欺被害を経験した人に、その被害を回復できるような投資話を持ちかける手口です。
3.代理購入型
後から代金を振り込むので立て替えておいてくれないかと持ちかけますが、支払われず詐欺商品のみが残ります。
4.公的機関を装う
公的機関(金融庁、警察、消費生活センターなど)を装い、法令の違反金の請求や未公開株の購入を勧める手口です。
5.ポンジスキーム
好条件で資金を集めますが、実際には運用されません。
他の出資者への配当に充てられるという自転車操業のためいずれ破綻してしまいます。
6.未公開株
「未公開株」とは証券取引所に上場されていない企業の株式のことで、有望な未公開な場合は上場時に大きく利益を得ることができます。
本当に上場するのか個人で調べるのは難しく、架空企業の株式を売り付けられることもあります。
7.高額な投資セミナー
ネットで簡単に調べられる情報しか載っていないような質の低い投資セミナーなのに、高額な参加費を請求します。
昔からある手口で、株、FX、不動産など種類は多様です。
8.システムトレード
一定のルールに従ってコンピューターが自動的に売買をおこなうプログラムを「システムトレード」と言います。
「このプログラムで取引すれば儲かります」などと高額で売り付けます。
9.SNS
SNSを通じて投資話を持ち掛け、消費者金融からの借金で投資させるケースもあります。
10.外国通貨
認知度の低い外国通貨を相場とかけ離れたレートで取引する手口です。
騙されやすい人の特徴
1.断れない人
2.不安がある人
3.自信がある人
4.ニュースに疎い人
5.金融知識に乏しい人
詐欺にあわない自信があっても、悪質業者はあらゆる手を使って勧誘してきます。
若者は社会経験も少なく、悩みにつけこまれることもあります。
ときには相手の要求を断固拒否したり、まったく相手にしないことも必要です。
後悔しないために、騙されやすいかどうかチェックしておきましょう。
出所:消費者庁「リスキーな心理傾向」を測るチェックシート
投資詐欺に騙されない方法
最大の防止方法は、投資の知識を持つことです。
ですが、すぐに知識を蓄えるのは難しいため、その他の方法でも注意しましょう。
1.勧誘フレーズに気を付ける
投資の世界に「絶対」はありません。
証券会社などの金融商品取引業者は、断定的な表現で勧誘することを金融商品取引法で禁止されています。
・「元本保証で、絶対儲かります」
・「あなたにだけ教えます」
・「今だけです」
・「損をしたら買い取ります」
・「有名な〇〇さんもしています」
・「金融庁(公的機関など)の者ですが・・・」
2.心理的に気を付ける
(1)儲け話に飛びつかない
投資で利益を出すには一定の努力が必要です。楽に儲けたい人は騙されます。
(2)理解できないものには投資しない
理解できないということは、相応のリスクも理解できないということです。
(3)情報は得難いと知っておく
通常、未公開株の株主は募集数が少なく倍率も高くなります。取引している証券会社以外から突然聞ける情報ではないはずです。
(4)公的機関の名前を出してもすぐに信用しない
金融庁の認可や公的機関の委託を受けていると言う業者もいます。
3.契約の前に行動する
金融庁から免許・許可・登録を受けていない業者は金融商品の勧誘ができません。
HPで確認し、無登録業者とは関わらないようにしましょう。
(2)インターネットやSNSで会社や商品を検索する
ホームページがない場合は要注意です。
同じような勧誘を受けた人や実際に詐欺にあったかたの体験談が掲載されているかも知れません。
(3)第三者に相談する
詐欺に遭ったときは冷静な判断が難しいため、誰かに相談しましょう。
それでも被害にあったときは
すぐに以下の関係機関に連絡しましょう。
1.警察
通報するときは、「どんな投資か」「いくら払ったか」「犯人の情報」「契約書などの証拠資料」をできるだけ伝えましょう。
詐欺は犯罪のため、被害届を出せば捜査をしてくれる可能性があります。
2.国民生活センター
詐欺を含み消費生活に関する苦情や相談を受け付ける独立行政法人です。
相談の他、民事調停や裁判のサポートを受けられることもあります。
3.日本証券業協会
投資者保護を目的とした証券会社からなる団体で、被害防止のために「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンターを設置しています。
警察をはじめとする他の機関と連携ししながら、今後の対応について相談に乗ってくれます。
4.弁護士
被害金額を取り返したい場合は、弁護士への相談も検討してみましょう。
高額になるかも知れませんが、裁判を通じて経済的なサポートが受けられます。
不安心理を利用した投資詐欺。
その手口は年々巧妙になり、被害者は高齢者だけでなく若年層にも広がっています。
騙されないための心構えとしては、投資詐欺の傾向や自分の性格を知り、できるだけ予防することです。
それでも被害にあったときは、「家族に迷惑をかけたくない」「世間体が悪い」と自分で抱え込まずに、誰かに相談することが必要です。
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