今週は、1998年8月以来24年ぶりの円安・ドル高水準140円台を更新しました。
今年1月の113円台から円安基調でしたが、直近1週間は3円近くと急速に円安が進みました。
円安は、9月以降も続く値上げラッシュをさらに加速させる原因になります。

今回の円安のきっかけは?
8月26日、アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備理事会)のパウエル議長がジャクソンホールでの講演で、「現在高騰しているインフレを抑制するための利上げを継続する」と表明しました。
それとは逆に、日銀は大規模な金融緩和を継続し利上げをしない方針です。
日米の金利差が一段と拡大するとの思惑から高金利で運用できるドルを買って円を売る動きが加速しました。
本来、日本株式市場にとっては好材料となる円安ですが、急ピッチな金融引き締めがアメリカの景気後退だけでなく日本経済にも波及するという懸念ヵら、株価への影響は限定的でした。
円安と物価の関係
円安は、物価が高騰するインフレを招きます。
日本は多くの材料を輸入に頼っています。
円の価値が下がる円安の場合、支払いにより多くの円が必要になり、モノの価格は割高になります。
企業は、利益確保のために割高になった原材料価格を販売価格に上乗せします。
年初から資源高や円安の影響を受けてインフレ(物価が上昇)でしたが、現在のような円安が続けば、さらに商品の販売価格の上昇が考えられます。
食品値上げ品目、年内2万超え
9月も引き続き、食品などの値上げラッシュが続きます。
国内の主なメーカーは年初から既に値上げしていますが、継続する資源高と円安により、さらに値上げする予定です。
電気代など食品以外も含め断続的な値上げは、来年も続くことになります。
民間の信用調査会社である帝国データバンクの「食品主要105社価格改定動向調査(9月)」によると、8月31日時点で2022年に値上げする食品数は20,056品目、値上げ幅は平均で14%。
9月単月では2,424品目、10月単月は年内最多の6,500品目となります。
食品分野別でみると、値上がり数が最も大きいのは缶詰やハム・ソーセージなどの「加工食品」の8,530品目(平均値上げ幅16%)。
次いでマヨネーズやだしなどの「調味料」が4,651品目(平均値上げ幅15%)、「酒類・飲料」が3,814品目(平均値上げ幅15%)となっています。
1.9月からの値上げ商品例
・カルビー:ポテトチップス(+10~20%)
・J-オイルミルズ:マーガリン(+15~20%)
・日清製粉ウェルナ:パスタ冷凍食品(+9%程度)
・はごろもフーズ:缶詰(+3~32%)
・雪印メグミルク:チーズ(+3~9%)
・タカラトミー:玩具(+10%程度)
・パナソニック:ドライヤーなど(+2~33%)
・キューピー:マヨネーズ(+3~11%)
・スシロー(1皿110円→120円)
・キリンビール:ビール(+6~13%)
・コカ・コーラ ボトラーズジャパン:ペットボトル入り飲料(6%~18%)
・伊藤ハム:ハム(+3~30%)
・岩谷産業:カセットガスなど(+5~20%)
・日本郵便:料金受取人払の手数料(15→20円)
3.11月からの値上げ商品例
・永谷園:即席みそ汁(+5~11%)
・エバラ食品:焼肉のたれ(281→308円)
・大塚製薬:オロナミンC(113→130円)
・カルビー:菓子(+10~20%)
まとめ
記録的な円安も拍車をかけ、終わる気配のない物価高。
「こんなに値上がりしては、節約も資産運用も意味がない」という方がいらっしゃいます。
確かに中には30%以上値上がりしているモノもあり、完全にカバーすることはできないかも知れません。
でも何もしなければ、支出が膨らむだけです。
生活に無理のない範囲で取り組むことは、きっと大切なことです。
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