かしこい株主優待の利用方法

本来、株式投資は株価の変動や配当によって利益を得ることです。

しかし、「株主優待」も加えることで、さらに株式投資の魅力が増します。

12月は有名企業の優待もあり、権利を取るための期日が迫っていますが、基本を理解したうえで利用しましょう。

株主優待とは

企業が自社の優待券や、割引券、食料品やオリジナルグッズなどの特典を提供するもので、世界でも珍しい制度です。

保有している株式数に応じて、優待の条件が変わるなど投資する企業ごとで異なります。

企業が株主優待を出す目的は、自社のPRと安定した株主の確保が挙げられます。

株主優待を受け取るためには「権利確定日」※に株主である必要があり、「権利確定日」の2営業日前までに購入する必要があります。

※権利確定日:権利を得ることができる確定日


株主優待のメリット


①定期的に株主優待品がもらえる


②優待利回り※が高い銘柄がある

優待利回りが高い銘柄に投資すれば、株価が下落しても、優待分で損失をカバーできます。


③投資銘柄を探しやすい

2021年11月末の時点で国内の上場企業数は3,700社超と膨大ですが、優待内容で投資先の絞り込みが比較的容易です。


④株価を気にせず長期保有できる

定期的に株主優待が届くため、株価に一喜一憂することが少なく、長期で株式投資に取り組めます。

また、一定期間継続して保有すると、株主優待の内容がアップする銘柄もあります。

※優待利回り:投資金額に対して優待がどのくらい出ているかを表す


株主優待のデメリット


①優待内容が改悪または廃止される場合がある

優待内容の改悪や廃止が発表されると、株価が下落する傾向があります。


②優待以上の損失が発生する可能性がある

人気が高い株主優待銘柄は株価が下落しにくい傾向にありますが、必ずしもそうなるとは限りません。


③確定申告が必要な場合がある

優待の金額や働き方、転売した場合など状況によっては確定申告が必要です。


優待銘柄購入のポイント


①本当に利用できる優待か確認する

優待を使わないうちに失効させてしまうこともあります。

不安があるときは、自社製品などを送ってくる優待に切り替えた方が良いかもしれません。


②受け取りに必要な株数を確認する

最低投資単位を保有していても、株主優待をもらえるとは限りません。

また、単元未満株※1は株主優待を受けられないケースが多いため確認が必要です。


③権利付最終日※2を確認する

決算が月末でない場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。


④株主優待の価値を確認する

投資金額に対して優待がどのくらい出ているかを計る「優待利回り」、または配当金を加味した「総合利回り」を計算してみましょう。

優待利回り(%)=株主優待の価値(金額換算)÷投資金額×100

総合利回り(%)=年間の総合収益(配当金+株主優待の価値)÷投資額×100


⑤優待内容だけでなく業績も確認する

業績悪化により優待が改悪・廃止されることがあります。


⑥優待利回りが高すぎる銘柄に注意する

人気化して優待の維持が困難になり、改悪・廃止となる可能性があります。


⑦東証1部に昇格した銘柄に注意する

昇格に必要な株主数を満たすために本業とは関係ない優待をしている場合は、改悪・廃止になることがあります。


⑧なるべく権利確定日の直前に購入しない

人気がある優待銘柄の株価は、権利付最終日に向かって上昇し、権利落ち日※3に下落する傾向があります。

株価の値動きを確認しながら、権利確定日の2~3ヶ月前までに購入する方が安心かもしれません。

※1単元未満株:銘柄毎に決められている最低売買単位である1単元の株数に満たない株式

※2権利付き最終日:株主権利が得られる最終売買日

※3権利落ち日:権利付き最終日の翌営業日


12月末決算の優待の権利をとるためには

権利を受け取るためには、権利付き最終日までに株を購入または保有する必要があります。

12月末決算の企業の場合は以下のとおりとなります。

・12月28日 権利付最終日(この日までに買付=株主権利が得られる最終売買日)

・12月29日 権利落ち日(この日以降に売却可能=権利付き最終日の翌営業日)

・12月30日 権利確定日(権利を得ることができる確定日)


まとめ

株主優待は、定期的に優待品が届き、株価を気にせず長期保有できるという利点があります。

株主優待の内容を調べる作業は楽しく、そこから株式投資につながる可能性もあります。

しかし、内容が変更になる場合もあるため、業績や値動きなどを総合的に調べてから投資するようにしましょう。


※実際の投資は、ご自身の判断でお願いします。